漫画紹介第3弾。
今回は佐久間結衣先生のコンプレックス・エイジです。
片浦渚の趣味はコスプレ。
仲間や知人と共に様々なコスチュームに身を包み
2次元のキャラクターになりきる。
そんな趣味を持つ彼女は
土俵違いの同僚や親にも趣味を口外せず
理解を求めずに生きて来た。
そんな中あるイベントで同僚の葉山に
趣味のコスプレがバレてしまう。
年齢、恋人、仕事、家族、仲間。
渚の趣味に対する取り組み方が徐々に変化し始める ー
良くも悪くも趣味に対してストイックな渚。
自分が好きな自分でいる為に趣味にのめり込み、
コスプレに対しては自分にも他人にも妥協をしない。
30歳手前という事もあり、彼女の人格は出来上がっています。
そんな彼女が周りの人間環境に引っ張られ、
これまで接してきた趣味に対しての
向き合い方を考えるという作品です。
渚の性格があまり魅力的でないという声もあるようですが、
確かに渚は趣味に対しては凄く強く出ますが
それ以外の人間関係には凄く消極的で弱い人間です。
私は逆にそのギャップこそが彼女の魅力で、
弱くも少しずつ前進していき
最後まで趣味と夢に対して正直に接していた彼女の姿は
とても魅力的に映りました。
渚の他にもコス仲間、職場の人間、両親等、
様々な人の趣味に対する思いが見えて、
中には趣味を続けていく事は
楽しい事だけじゃないリアルな内容なんかもあり、
中々読みごたえがありました。
オタク同士の内々感が出てて共感出来るし、
趣味がバレる事のうしろめたさ、
2次元という、今となっては市民権を得たと言っても
まだまだ理解され難い世界。
そんな世界で懸命に生きている人達の物語。
2次元趣味のある方にはオススメしたい作品です。
この作品には今年出会いましたが
今のところ今年読んだ漫画で一番の豊作でした。
個人的お気に入りは5巻の公子回。
6巻の出来上がり方も勿論最高だったんですが、
公子と渚のお互いの心情や
これ以降渚は趣味に対しての接し方を考える等、
物語として凄く重要な話でした。