藤岡弘、氏長生きしてね。
ただただ藤岡弘、映画だった。
とにもかくにも藤岡弘、氏の存在が尋常じゃなく、
彼の勢いというかパワーでゴリ押しされたような感じでした。
なんていうか、見てる最中もずっと思ったんですけど、
「本郷猛ってこんなキャラだったっけ??」
という感じでした。
役者とキャラクターが同一に見えるのは良い事だとは思いますが、
本来の本郷猛のキャラクターが薄まっているように感じました。
地獄大使に「体を労われ」と言って戦わずに見逃すなんて本郷猛がするか??*1
また、立花藤兵衛の孫である麻由がキーキャラなんですが、
思ったよりも存在が前に出ていた訳ではないかなと思いました。
というより、扱われ方がいつも通りのライダー作品という感じで
立花藤兵衛の孫という設定の大きさに反して
こちらの期待値を超えてこなかった印象。
正直本郷とのデートの尺を別の尺に変えて欲しかった。
けど、あそこのシーンは井上敏樹氏らしさ全開で見ててクスッときましたがw
ここまで散々藤岡弘、があーだこーだと書いてきましたが、
一応本作はゴーストの映画という事なのでゴーストの世界線で話が進みます。
生命について問う作品だったのでゴーストの設定は非常にマッチしていたと思います。
そういう意味では本作の世界線がゴーストで良かったと思います。*2
ただ、本郷猛にフォーカスを当てる為とはいえ眼魔が全く出てこなかったり、
スペクターのポジションがイマイチだったりと気になる点もありました。
また、ストーリーの一本軸はわかるんですが、
随所で突っ込み所が多く、シーンのブツ切りも目立つので
盛り上がりまでの積み重ねが薄く感じてしまいました。
井上脚本も勢いでゴリ押しする事が多いですが、
本作はその点が顕著に出ていたような印象です。
仮面ライダーといえば戦闘シーンですが、
藤岡弘、が69歳という年齢にもかかわらず生身で頑張ってくれています。
また、現在の藤岡弘、氏に合わせた1号のデザインも
その風格の割に結構動いてくれます。流石岡元次郎氏。
ただ、ライダーの戦闘シーン自体は少々地味だった印象。
ゴーストとスペクターがあまりゴーストチェンジしてくれず、
1号が素手での戦闘という事もあって派手さに欠けました。
そもそも本作は敵の怪人も少な目な為にその脅威がわかりにくく、
スペクターに関しては長澤奈央演じる生身の女性戦闘員にすら勝てなかったので
全体的に強弱の波がよくわからなかったです。
まとめます。
本郷猛ではなく藤岡弘、氏が好きなら面白い。
45年という仮面ライダーシリーズという重み、
様々な要素が込められた本作ですが、
人によって面白くもつまらなくもなり得る評価の分かれる作品だと思います。
説明するのが難しいんですが、
本作は本郷猛が藤岡弘、になっていて
藤岡弘、が本郷猛になっている訳ではないように思いました。
文面だけでは説得力ないと思いますが、
本編見た後ならこの意味が多少理解してもらえると思います。
ストーリーも好き嫌いが分かれると思います。
僕は井上敏樹氏の作品を結構見ていてなんなら好きな類の人間ですが、
そんな僕も本作は手放しに周りにオススメはし辛いです。
ファンとしては「本作も井上イズム全開だなぁ~」と思いながら見てましたが。
仮面ライダー45周年を記念して生まれた本作。
良くも悪くも現在の仮面ライダーはこういうものだという事を理解するうえで
視聴するのもアリではないでしょうか。
個人的オススメシーンは本郷蘇生シーンでしょうか。
わかっていてもやはりテンション持っていかれるシーンでした。
また、あのシーンを見て「仮面ライダーってカッコいいんだな」と思いました。