明日の地球を投げ出さない6人が揃いました。
面白かったけど要望が多くなる作品。
タイトルのFINALの名に違わぬテンションの上がる作品でした。
これまでの映画にもあった要素が本作でも取り入れられ、
歴代の平成ライダーを見てきた人にとってご褒美とも言える内容になっていました。
本作はメインであるビルドとエグゼイドの他
4作品のレジェンドライダーが参戦。
どのライダーも変身前の役者が出演してくれていて
登場シーンで非常にテンションが上がります。
ただ、テンションの瞬間最大風速は登場シーンで、
その後はそこまで目に留まるシーンはなかった印象。
というのも、彼らの相手が基本的に戦闘員であるXガーディアンなので
いかに最強フォームまでフォームチェンジしても
そこまで敵の脅威やライダーの強さが目立たなかった感じです。*1
また、彼らの登場も話の都合上強引な点も目立ちました。
特に紘汰は急に出てきた挙句大した見せ場も絡みもなかったので
彼らの中では少々浮いて見えました。
紘汰のキャラ設定的に使いにくかったのカモしれませんが、
もう少し考えて欲しかったですね。
冷静に見ると同時変身やライダー同士の絡みや共闘もなかったので
変身前の役者が出演するといった謳い文句の割に
レジェンドライダーを持て余していたという印象でした。
本作は各作品からサブキャラも出てきたのは良かったです。
また、御成×黎斗といったサブキャラ同士の絡みも本作ならではで
世界線の拡張性が見えて面白かったです。
当時の現行ライダー1個前という事で
エグゼイドはサブライダー4人にも戦闘シーンがあって見応えありましたね。
今回のキーキャラである万丈ですが、
レジェンドライダー達と出会って
彼が戦う理由を得るという流れは良かったと思います。
ただ、彼が覚悟完了した後彼の戦うシーンがほとんどなかったのは拍子抜けでした。
クローズはレジェンドライダー達が出てくるまで味方サイドの貴重な戦力だったのに
見返すと戦闘員相手くらいしか大した相手になっていなかったので
万丈のキャラも相まって口だけの生意気なキャラという印象になってしまいました。
こうまでメインで出張らせるのならせめて見せ場の1つくらい与えて欲しかったです。
そして本作の敵である最上ですが、
終盤満を持してバイカイザーになったのに
ビルドとエグゼイドに全く相手になってなかったのが肩透かしもいいところ。
ビルド達の裏技で弱体化したという設定ではありましたが、
直前で戦兎が「引くほど強い」とか言ってたりちぐはぐな点が目立ちました。
振り返ると、最上は自身がまとっている空気感と強さと計画の大きさが
全く噛み合ってなかったです。
大槻ケンヂ氏の演技が良かったり
バイカイザーのデザインが非常にカッコよくて期待してたのに
バイカイザーになってからの方がフルボッコだったのは残念でした。
まとめます。
充分面白かったけどもっと満足させて欲しかった。
ライダーのコラボ映画としては高水準な内容だったと思います。
その理由として非常に大きい点が、やはり当時の役者が出演している点。
過去に邂逅したり共闘した設定や
彼らが戦って来たうえでの台詞には重みも説得力もあって、
出てくるだけでその存在感を見せつけてくれています。
ただ、彼らが物語上で特別活躍したりクロスオーバーしてたかというと
素直に首を縦に振り辛い。
不満点というよりももっとこうして欲しかったなという要望を多く感じました。
短い時間の中で物語が動く都合上
全ての要素をその少ない時間内にブチ込まなければならないので、
どうしても時間が経つにつれて物語の展開で義務的な部分を感じてしまいました。
また、各レジェンドライダーの戦闘シーンも過去に見てきた流れなので
本作では多少なりとも変えて欲しかったですね。
あったのは一緒にバイクで移動&ほんの少しバイクでのアクションシーンくらいで
生身での共闘シーンもなかったので、
どうせならこれまでになかった事をして欲しかったです。
このように、初見ではアドレナリンでゴリ押せる勢いはありましたが、
見返したり時間が経つにつれて気になる点が出てくる作品でした。
ただ、こういう不満点も役者の豪華さや画面の派手さ、
物語の設定等から生まれるものなので
普通に映像作品として見るのなら充分及第点はクリアしていると思います。
特にこれまでの平成ライダーシリーズを見てきた人には非常にお勧めです。
個人的オススメシーンはやはりアンクのシーン。
あんなん泣くやろ・・・