セッション 見ました。

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本物を生み出すのに必要なのは。

 

 

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心地よい重苦しさ。

 

 

プロのジャズドラマーに憧れる主人公が

音楽学校の上位クラスでもがく様を描いた作品。

終始どんよりとしたしんどい雰囲気の映画で

体罰上等な指導の教師がメインなので

人によっては視聴注意な作品ですが、

見終わった後には

良かったとも凄かったとも言い表せない

非常に独特な感想が残った1本でした。

2時間に満たない作品ですが、

見終わった後はこの内容を

2時間以内に収めていたのかと驚愕しました。

それほど見応えのある作品でしたね。

 

ある意味本作のメインキャラである

講師のフレッチャーなんですが、

もう役者の演技力が凄かったです。

狂気に憑りつかれたような罵倒シーンだけでなく

自身の音楽を表現している演奏シーンや

ラストの主人公に翻弄されるシーン等、

各々で全く異なる表情を見せてくれました。

特にラストの指揮をしている姿が

忘れられません。

 


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ただ、中盤までは

もうフレッチャーが吠える吠える。

ガオレンジャーなんて

目じゃないくらいに吠えまくる()

中盤までは練習シーンが大半を占めているので

この辺りは胸が締め付けられましたね。

マヂで軍隊みたいでしたw

 

 

この罵倒指導は本作を語るうえで

重要なポイントだと思いますが、

彼は彼なりにプロを選出する手段として

この教育論を行っているので

ある意味では間違ってないとも

見えるんですよね。

実際学院ではそういう地位にいるし

主人公もズレてる部分があるのは事実なんで。

 

ただ、主人公が全てを捨てて

音楽に全振りしていくのに

段々主人公に余裕がなくなっていき

私生活でもミスを連発していくので、

悪人に見えがちなフレッチャーだけでなく

主人公にも共感と反発を同時に抱かせて

一概に誰が悪いと言えなくなっていくのは

構成と魅せ方が上手いなと思いました。

実際主人公が最初に主奏者になるところは

主人公が悪いと思わせるムーブを

かましてたので。

あそこは元の主奏者である

タナ―が可哀想でしたw

 

 

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本作の中だけで評価するなら

非常に面白く感慨深い作品になるんですが、

実際の世界とごっちゃにすると

視聴者の感情というノイズが入ってくるので

本作の評価が変わっていくのが面白いですね。

今の世ではわかりませんが、

実際こうまでスパルタで口だけでなく

手が出る指導はあったと思うんで。*1

 

この部分に共感が出来るか、理解を出来るかで

フレッチャーの真髄がどこにあるのかが

人によって変わってくると思います。

直接的なシーンはないですが、

過去の教え子が死んで涙するシーンや

クラブで演奏するシーンなんかで

フレッチャーの想いがどうなのかを

視聴者に問わせる展開は上手いと思いました。

この辺りはフレッチャー役の

J・k・シモンズの演技が上手かったですね。

 

 

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最終的には主人公が才能を開花しますが、

発揮するのが一旦音楽を諦めた後なので

フレッチャーのスパルタ指導が正しかったのかを

最後まで曖昧にするのは中々上手かったですね。

実際厳しい世界の中で生きていくには

鬼のように厳しい指導は

時には必要とも思いますし。

 

ただ、フレッチャーの場合飴と鞭でなく

飴をちらつかせた後は鞭オンリーなので

彼の指導が全面的に正しかったとは

個人的には思えず。

それでもラストの

あのセッションシーンで見せた表情や

そこに至る前の

主人公に対する態度なんかを見てると

全編通して彼の指導スタイルが

結果的に正しいようにも見えるので

本作の場合はもうちょい振り切って表現しても

許されたんじゃないかな。

本作に抵抗感を感じる人は

十中八九彼の指導スタイルだと思うので、

エピローグのない本作なら

もっとどちらかに突出しても

良かったようにも思います。

実際あの終わり方だと人によっては

才能を開花するのに体罰を正当化してるようにも

見えると思うし。

 

まぁ視聴直後は

僕も結構思うところがありましたが、

時間が経つにつれて本作の場合は

ああいうラストへの舵取りで良いと

思いましたけどね。

 


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まとめます。

 

 

一見の価値あり。

 

 

本編通してどんよりとした雰囲気で

息が詰まるシーンが続きますが、

最後まで見終わった際には

ズッシリとしたモノが心に残りました。

そのズッシリとしたモノが人によって

感動に寄ったり悶々とした感情になったりと

人によってニュアンスが変わってくるのが

面白いなと思います。

 

音楽作品は最終的にはドカーンとくる派手さや

未完成なりに感動する積み重ねみたいなものが

展開的には多いですが、

本作は2人の関係性や考えが偏っているからか

一概に良かったと言えないにも関わらず、

視聴者の心に何かしらを残していくのが

良かったですね。

 

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これは、本作で取り扱ってる音楽がジャズという

爽快感が全開になる音楽でないのも

演出に一役買っていて、

視聴者の心にどっしりとした感情を

残してくれます。

特に最後の演奏シーンは映像作品として

非常に印象的なシーンとして作られていて、

主人公とフレッチャーの間にあるモノや

2人の関係性等、

様々な受け取り方が出来るようになっているのが

本作を名作たらしめているんだと思いました。

 

 

視聴時間の短さから

何気なく見てみた本作ですが、

見応えがあって面白かったです。

未視聴の方はオススメですが、

出来れば誰かと一緒に見て

エンディング後に色々共有して欲しいですね。

僕も誰かと語り合いたかった・・・(´・ω・`)

 

 

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個人的オススメシーンは、

本作を語るうえで外せないラストも

良かったですが、

中盤主人公がステッキを忘れ

取りに行ったシーンのその後は

リアルに声が出ました。

それほど気付かないうちに

物語に没入してたんだと思います。

 

*1:実際僕が学生の頃は部活動の指導で顧問から手が出る事は普通にありました。