今回は帰ってきたウルトラマンを紹介します。
帰ってきたウルトラマンは前作ウルトラセブンから3年の時を経て復活した
所謂第2期ウルトラシリーズの先鋒を担ったウルトラ作品です。
初代ウルトラマンとは異なるウルトラマンをもう一度復活させる為に
作品に求められたモノは様々ある訳ですが、
その中から個人的にオススメな点を3つ挙げていきます。
〇これまでと似て非なる新たなウルトラマン像の確立
帰ってきたウルトラマンは知らない人が見ると
初代ウルトラマンと同一視しがちですが、実際は全く異なります。
敗北した相手に努力して技を編み出して勝利したり、
怒りに呑まれて戦ったり等、初代に比べると人間的特色が強いです。
ウルトラマンはどちらかというと神々しさや神秘性が強いイメージでしたが、
今作は郷秀樹のキャラクターや心情も相まって彼に感情移入しやすくなっています。
その分ドラマへの没入感が強くなるので後述する物語への魅力が倍増する事でしょう。
〇各キャラを掘り下げた「人間ドラマ」の要素
各話のゲストを含む、登場人物達の物語性がかなり向上した印象です。
人間ドラマとしての色が濃くなった事で物語の魅力が更に上昇しました。
例えば主人公の郷だけでも帰る家がある事で恋人や慕ってくれる弟分、
同級生の存在等人間的な部分が増え、
物語上でのウルトラマン＝郷の部分が色濃く描かれています。
30分に満たない子供向け番組とは思えない見応えのあるドラマ性が
見る者の心に必ず何かを残してくれる事でしょう。
〇シリーズとしての拡張性
ウルトラブレスレットや宇宙怪獣という概念、前述した人間ウルトラマンの要素、
歴代ウルトラ戦士の客演、2VS1での戦闘等、
帰ってきたウルトラマンは後に続くウルトラ作品の
ターニングポイントとなっています。
本作で培われた設定が後のシリーズのベースになっている点も多いので
是非視聴していただきたいですね。
帰ってきたウルトラマンは個人的には少し地味な印象で、
ウルトラセブンで感じた近代的な雰囲気に比べて作品の空気もどこか泥臭く
昔感の強い作品と思っています。
ですが、それ故の魅力も多く、埋もれてしまうには非常に惜しい作品です。
僕はトータルで見た際、
第2期ウルトラシリーズの中で一番オススメ出来る作品と思っています。
全51話どれも安定して面白いので是非とも見ていただきたいですね。
夕日にそびえ立つその雄姿をあなたの眼に刻んでいただければと思います。
