幻日のヨハネ SUNSHINE IN THE MIRROR 見ました。

 

ええ加減にせぇよ。

 

 

全部中途半端。

 

 

ラブライブサンシャイン

異世界ものにシフトした外伝作品なんですが、

蓋を開けてみると

これまでのラブライブとほぼ同じ、

つまり良い所も悪い所も全部一緒です。

ただ、これまでのラブライブシリーズを

ふまえて本作を見てしまうと

悪い所にしか目がいかない内容になっています。

 

 

 

まず、ファンタジー要素が薄過ぎる

折角の異世界ものなのに

それならではな文化もないし戦闘も少ない。

100歩譲ってそういう世界観と思って見てたけど

11話での宴会が日本文化そのまんまなのは

もう失笑してしまいました。

結局いつも通りの歌や

歳相応の悩み解決要素が入ってくるんですが、

曲は取って付けたようなMV要素が入る程度、

悩みはどれもあっさり解決するので、

ラブライブ本編に比べて展開が非常に浅く見えます。*1

後述していますが、

唯一ある魔法要素も扱いが非常に適当なので

他の要素に押し負けて消えてしまっています。

 

 

 

そしてストーリーですが、全編通して訳わかめ

他にも色々書いていますが、この点が一番重症。

 

 

まず、本筋の物語がつまんない(直球)

 

 

①街の異変

ライラプスの謎(ヨハネの魔法)

ヨハネの夏の宿題

 

 

他にも色々ありますが

僕はこれらが本作のメイン題材だと捉えました。

それぞれ

 

①異変が基本的に動物にしか察知できない

ヨハネしか把握してない(魔法はライラプスだけ)

ヨハネが探そうというムーブを見せていない

 

 

という内容の為

各物語が全然広がっていかないんですよね。

どれも小出しにしてそのまま投げっ放し。

全ての問題を放置したまま

ヨハネと他キャラとの交流話に移るので

全然物語が進んでいかないです。

話数が進む割にどのテーマも匂わせばかりで

直接的な進展が欠片もない。

その為一部分でも退屈と思ったら最後、

そのまま進行していってしまう。

この作品が虚無やらつまらないと思う根っこは

ここにあると思います。

 

 

それぞれのテーマも蓋を開けてみると非常に浅い。

①の街の異変とか

9割鹿が激オコになってるだけってナメとんのか

 

 

 

上記3つのテーマを進めるうえで

ヨハネと他キャラとの交流

=元のAqoursメンバーがメインとなる訳ですが、

他の8人を無理矢理話に合流させているので

通して見ると非常に違和感がある。

例えば8話のライブシーンなんかは

演出としても展開としても

ちょっと納得いかないというか。

 

 

本作は廃校阻止やラブライブ出場といった

歌う理由が強くない為

ヨハネ以外のキャラが皆揃って歌う事に

どこか違和感を感じました。

ヨハネが望んだ事であったり

夏祭りの舞台で歌うからと書けば

一応理由にはなるんですけど、

キャラを掘り下げて考えると

マリやリコなんかはヨハネ以上に

人前に立つ事に恐怖心を感じそうなもんなのに、

そういった点はスルーなのは

いくらヨハネが主人公で他はモブとして見たとしても

これでいいのかな?と思わずにはいられない。

ヨハネ以外からのフォローも見られないので

ヨハネ以外のキャラは全員

舞台装置みたいな存在です。

 

 

ただこの部分、残り8人を

本作での新キャラとして出してたら

そこまで疑問に感じなかったと思います。

でも、皆元のキャラを

そのまんま踏襲してしまっているので

どうしても元々のキャラ人気や

ある程度の期待感を込めて見てしまうので

どうしても不満が生じやすくなります。

逆にオリジナルのAqoursを知らず

本作を初見として見るのなら、

ここはあまり気にならない点になると思う。

 

 

しかし本作は、

ヨハネ(とライラプス)以外のキャラクターは

ほとんどモブ扱いなのに、

見た目元Aqoursまんまな面々を

序盤から無理矢理話に絡めてきてる割には

キャラの交流度合に波があったり、

尺の問題か複数人を1話にまとめたりと

扱いが非常にチグハグなので、

物語が進んでいくにつれて

ヨハネを始めとするキャラの主張に

全然説得力がないんですよね。

皆要所要所で

ヨハネを持ち上げる事言ってるんですけど

ヨハネを肯定するようなドラマが全然起こらないので

展開に違和感しか生じないんです。

 

挙句この

ヨハネ全肯定→ヨハネが元気になる

というムーブを繰り返すので

非常に展開が薄っぺらくカタルシスも何もない。

全編通してヨハネ自身が特別何かした訳でもなく

皆「ヨハネは本当は凄い」といった事ばかり言うので

何の説得力もなく台詞も軽く感じる。

チカが11話で言ってた事なんかも

「お前エセキ○ッツアイとして

出てたシーンの方が長くて

全然ヨハネと絡んでない癖に

何を偉そうな事言うてんねん」

て感じです。

オタクの中には「流石Aqoursのリーダー」

とか言ってる人もいますけど、

本作だけで見てそこ肯定出来んのかって感じです。

それこそ本編のモブ達と同じムーブしとるやんけ。

 

 

 

彼女らモブ勢は

ヨハネ(とストーリー)を全肯定する存在

として描かれているので

物語の進行を邪魔してはいないんですが、

彼女達とヨハネとの絡みが非常に薄いのに

ヨハネの意志と行動に一貫性がない為に

結果的にキャラの言動や行動も

違和感まみれとなってしまっています。

とどのつまりヨハネが全部悪いんです(爆)

 

 

 

また、ヨハネが皆で歌いたいという

意志を表していましたが、

リコとマリ以外は

特別大きなイベントがあった訳でなく、

他の面子は女子会でただ一緒にいただけなので

各々で見ると非常に接点が薄い。

女子会も本編内では

ちゃんと中身のある事をやってると思いますが、

実際に僕らが見させられたのは

曲に乗せたダイジェストシーンがほとんどで

蓋を開けてみると

ヨハネはプレッシャーで倒れただけなので、

ヨハネが他の皆と絆を深めたシーンやイベントを

ちゃんと視聴者に見せるべきだと思います。

 

7話に至るまで

普通に物語として積み重ねてこれたなら

あのシーンはダイジェストにしてもいいけど、

うっすい展開と突っ込み所の数々を積み重ねてきて

なんでダイジェストにしちゃうの?

ちゃんとドラマとして魅せてくれよ。

 

 

・・・こんな感じで

各話を取り上げると文句しか出ないので

この辺りでやめときますorz

 

 

サンシャイン本編からそうなんですが、

僕はこのヨハネ(善子)のキャラが苦手で

本作はその彼女が主人公という事で

終始しんどかったです。

更に本作は脚本のおかげで

ヨハネの悪い部分が

全編通して前に出まくっています。

彼女の自分勝手さや我儘な性格、

周りを見ない傍若無人加減が

目に見えて前に前に出てきてしまい

凄くモヤモヤしながら見てました。

サンシャイン本編では後輩キャラの一人だったので

そこまで大きく目立つ存在でもなかったんですが、

本作では主人公になってしまった為に

彼女の悪い部分だけが

目立つ事となってしまいました。

 

 

 

なんていうか、全編通して

彼女の意志が全然わからんかったです。

1~2話で我儘と意地の限りを出しまくり

3話でいきなりキャラが丸くなり

4話で故郷で暮らす事を受け入れ

5~6話で急に人を信じる事を他人に説い始め

7話で女子会の幹事で自信を付け

8話でいきなり責任を相棒に擦り付け

9話で相棒の大切さに気付き

10話で自分が望んだ展開になった途端ウダウダウダウダ

11話で急な悲劇のヒロインムーブと相棒拒絶

12話の超速理解等々・・・、

めっちゃ省略して書いてコレなんですけど、

こんなキャラ好きになる人います??

なのにこの性格のキャラに登場人物全員が

皆協力的に動くってあり得なくない?

 

 

彼女の普段のビッグマウス

プライドの高さから繰り広げられるムーブは

見ていてかなり苦痛でした。

周りの助けがないと何も出来ない事に

彼女が気付いている様子があまり見られないので

どうしてもヘイトが募ってくるんですよね。

 

ヨハネ自身が

何か成長するような事をしたのならともかく

大半を周りのせいにしたり

他力本願で事が起こるのを待ったりと、

見ていて気持ちの良いキャラではなかったです。

 

 

 

僕はなんだかんだ

賛否含めて本作を結構楽しんで見てたんですけど、

8話や11話で急にメンヘラ化する件は

視聴断念も視野に入るくらいでした。*2

前述してますが、本作は本筋のストーリーが

ほとんどあってないような状態なので

彼女のこのキャラクターが

物語の面白なさに拍車をかけていましたね。

そんな相乗効果いらんねん()

 

 

 

他の登場人物に関しても元の人数が9人の為

それぞれと仲良くなる工程が省略されていたり、

キャラの事情や謎にもバラつきがあって

キャラ目的で見ようとするとしっぺ返しにあいます。

 

例えば、最初は「まぁ・・・」と思って

納得してたルビィの設定も

最後まで見た今となっては

「妖精要素いる???」と思ってしまいます。

ていうか、このルビィ、

姉のダイヤは人間でルビィは妖精という謎とか

本編で解明されるもんやと思ってたのに、

作中で突っ込んでるのヨハネだけだったので

多分疑問に感じてる僕らが

おかしいだけなんでしょう。

この作品、キャラの可愛さくらいしか

人にオススメ出来る要素ないのに、

キャラにも突っ込み所持たせるのやめてくれよ・・・

 

 

これは元のラブライブシリーズから

ずっと言い続けている点なんですが、

そもそもメインメンバー9人という人数を

1クール内で上手く捌けていなかったのに、

本作ではライラプスという

新たなメインキャラがいる為に

過去作よりも各視点がバラけてしまっています。

元からライラプスとの交流だけをメインにしていれば

こうはならなかったと思いますが、

変にこれまで通りの面子合流シーンを描いたせいで

構造が破綻して見えてしまっているのです。

というか、ライラプスの話の結末を知った今なら

絶対にそうするべきだったと胸を張って言えます。

その方が絶対説得力も出たし

終盤はもっと感動したと思う。

 

 

 

そのキャラクターですが、

可愛さだけはマヂで満点。

とはいえ、この点は

ラブライブシリーズのレビューでいつも書いてるので

別に今更取り上げる点でもないですが、

本作ではこれまでと違う世界観で描かれているので

これまでと違った新鮮さがありました。

特にマリなんかはキャラ自体が違っていて

最初は慣れませんでしたが、

途中からはこれがデフォのように見ていましたね。

これで本編見返したら色々と戸惑いそうw

 

 

 

また、曲はどれもクオリティが高かったです。

ライブシーンも更に自然な動きとなり

時代の流れと共に技術の進化を感じました。

ただ、本編が前述の通りなので

曲の印象自体はまぁまぁです()

ラブライブシリーズは

本編とリンクさせるような

曲の作りにしている事が多いので

本編の評価が低いと

曲の印象も薄くなってしまいます。

本作はそのあおりをもろに受けていますねorz

 

また、どのライブシーンも

元々のサンシャイン本編のライブシーンと

ほとんど一緒の作りとなっていたので、

この辺りはもう少し

異世界が舞台の本作ならではな

描写が見たかったですね。

本作の皆は働いていたりそれぞれの事情から

人前に出る事を躊躇うキャラも多いので

いきなり歌って踊る事に何の躊躇もないというのは

物語の積み重ねという点からも

突っ込まざるを得なかったです。

皆働いてるのにいつ練習したんだ・・・?

 

 

ただ、12話の

Forever U&Iは滅茶苦茶良かったです。

フルで聴けばわかりますが、

この曲は本作のテーマに非常にマッチしていて

ヨハネライラプスの気持ちを歌い上げた

名曲だと思います。

だからこそ本編の出来がもっとしっかりしていれば

もっともっと感動出来るものになっていたのに・・・

 

 

・・・ってこれ、

サンシャイン本編2期でも同じ事書いてたので、

評価同じなの、滅茶苦茶タチ悪いわ()

何年同じ事やってんねん。

製作スタッフ変えてコレなら

色々ともう無理やね・・・

 

 

まとめます。

 

 

誰向けに作ったんだ・・・?

 

 

なんていうか、

これほど人にお勧めし辛い作品もないな

という印象です。

 

ラブライブシリーズを知らない人には

内容がアレ過ぎて勧め辛い。

かといってラブライブシリーズが好きな人には

元々の部分と違うシーンが多過ぎて勧め辛い。

何にせよ人を選ぶ作品である事は間違いないですが、

正直僕は未見の人にもラブライブを見た人にも

本作は勧められないです

 

 

というのも、

ラブライブシリーズのレビューを書く度に

何度も何度も書いてるんですけど、

ラブライブシリーズって

1本筋の物語を書ける脚本家っていないの?

毎度毎度どのシリーズも

どこかしらで絶対破綻してるんですけど。

こちとらネタでもなく暇潰しでもなく

自分の為に作品を見てるんですけど、

1クール分見て

自分の中に何が残ったか振り返った時に

何も残らないんだが。

こんだけ不満点盛り沢山な挙句

ヌマヅの異変に関しては投げっ放しで終わるとか、

マヂで人を馬鹿にしてるやろ。

 

 

脚本がこの有様なので

舵取りしている主人公はもれなく評価が爆下がり。

本作ではヨハネがその犠牲となりました。

ラブライブシリーズでは

主人公になる=貧乏くじなのカモしれません。

 

 

 

どうしても本作を勧めるとしたら僕は、

最終話から逆順に見る事を勧めます

結末がわかっている事で

面白さが半減すると言う人もいるでしょうが、

そもそも本作は

1話から見るとヘイトしか溜まらないので、

結末ありきで見ていった方が

気になる点が気にならず

シンプルに感動出来ると思います。

 

 

・・・まぁ、通しで見ると

最終回の拍子抜け感凄いので

それを回避するというのも理由の一つです(爆)

なんやねんあの最終回。

あんなんで感動すると思うなよコラ()

 

 

一応僕個人としては、

推しのリコ(梨子)や

ライラプスやペラピーが可愛かったので

比較的満足しながら見ていました。

キャラがメインの作品なので

好きな部分を本作に見出せれば

ある程度の楽しさは担保されていると思います。

 

 

 

また、サンシャイン本編で

評価ダダ下がりだった花丸が、

本作では可愛くて優しい

良キャラになっていたりと、

シリーズを追っている身としては

少なからず救われた部分もありました。*3

 

ただ、上と相反しますが、

キャラの扱いにはバラつきがあるので

キャラありきで見る事はあまりお勧めしません。

どんなに扱いが良くても

やってる事はあくまでモブレベルなので・・・

 

 

語弊を恐れず書くと、

作品内容や評価にあまり興味がない、

頭空っぽで見る事が出来る人には

お勧め出来るかなと言ったところです。

本作を面白いと評価している人を

貶すような書き方ですが、

面白く出来た筈の部分から面白さを感じないのは

本作の構成に問題があったと評価せざるを得ません。

そういう意味では非常に勿体なかった作品でした。

本編が終了して数年後に外伝として復活するのは、

作品がそれだけ長い間愛されていたり

作品そのものが持っているパワーがあるからなので

それに相応しい出来にして欲しかったです。

特に本作は本編を見れば見るほど

もっと良く出来たと思える事ばかりなので

残念と思いますね・・・。

 

 

 

本レビューを見て

あまり興味が湧くとも思いませんが、

これからゲームは2作品発売、

ライブも開催、ヴァイスシュヴァルツにも参戦と、

色々展開していくシリーズとなりそうなので

とっかかりとして手を付けるのは

ありカモしれません。

 

*1:まるで本編はちゃんとドラマがあるような書き方ですがその点はもう察して下さい()

*2:実際10話で本作への熱量は急激に冷めました。

*3:花丸とハナマルは別人ですけど・・・