クライ・マッチョ 見ました。

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成熟した大人の魅力を見よ。

 

 

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これ、主演のクリント・イーストウッド氏をどう評価するかで

この映画の評価も分かれますね。

というのも、この映画、全く何もないんです。

話の波もない、気の利いた言葉もない、

ドラマもない、アクションもないの、ないないづくし。

主人公達のロードムービーの雰囲気を楽しむだけなので

物語に入れ込むほどに肩透かしを食らいます。

 

 

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問題のクリント・イーストウッド氏なんですが、

映画界にその名を知らぬ人はいないほどのこの大御所。

この大御所を知る人ほどこの映画の評価は上がりやすいと思います。

彼の魅力や作り手側の拘りなどが見て取れて見た後の余韻にも浸れる事でしょう。

 

ただ、僕のように今回が彼を初見という人はかなり評価が低く感じると思います。

氏も90歳超えなので求め過ぎるのも酷というか申し訳ないんですが、

それにしてももっと何か出来るというか、そもそも全てを端折り過ぎというか。

彼だけの物語ならいいんですが、本作は友人の息子というもう一人の物語があるのに

そこの流れが要所要所ゴリ押し&視聴者に丸投げなのは流石にどうなのか。

主人公、友人の息子、友人、その元妻、旅で出会った女性等々、

各々の物語の締めが雑過ぎます。

あの主要人物の少なさであの中身はいただけない。

 

 

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そもそも本作は単発作品なのに、

本作の真の魅力を知るには本作の製作までの経緯や

イーストウッド氏のこれまでの役者人生や監督作品といった

バックボーンを知らないと本作の本質を知れないってのは、

作品としては結構致命的と思います。*1

 

むしろそんな事までしないといけないというのは

逆に彼という魅力を削ぐような気がするんですけどね。

 

 

僕もそこまでアホではないので物語を見て登場人物の心情は見て取れるんですが、

それにしては各々の気持ちが弱すぎます。

何でもかんでも省略すればいいってもんじゃないです。

特にもう一人の主要キャラである友人の息子キャラも、

尺の都合と描写の少なさの弊害で性格や考えがいったりきたりで

いかんせん魅力を感じ辛くなっています。

 

 

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まとめます。

 

評価が難しい作品です。

面白くない訳ではないんですけど、

わざわざ見る必要があるのかと聞かれると素直にうんと言いづらい。

ただ、映画にエンターテイメントを求める人には絶対にオススメ出来ないです。

これだけはハッキリ言えます。

 

物語に没入させる力は確かにあるんですが、

色々なモノを省略して最終的に物足りなさを感じます。

そう考えると勿体ないですね。

 

僕は今作がイーストウッド作品初視聴なのでこのような感想を抱きましたが、

過去の作品を知っている人なら色々な感情を重ねやすいと思うので

ここまでイマイチに感じはしないと思うので

彼を知っている人にはオススメです。

 

 

 

 

個人的オススメシーンはマルタの街で数日過ごすところ。

もうあそこでずっと動物と戯れてたら良かったのに。

*1:製作秘話やうんちくを見るのは僕も好きですけど、本作はそういう問題ではない。