仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル 観に行きました。

f:id:sosiga:20220320142601j:plain

 

 

※ネタバレ全開なので未視聴の方はブラウザバック。

 

 

f:id:sosiga:20220320142900j:plain

言葉にするのが難しい。

 

非常に随分と何とも思い切った内容だったんですが、

受け入れられるかを判断する要素がデカ過ぎて視聴者負担が大きい作品でした。

役者の演技力の高さも相まって画面にクギ付けになる力はあったんですが、

話運びの都合上話の最後の最後の部分で心臓を抉られる事になりました。

 

 

f:id:sosiga:20220320144714j:plain

「主人公である映司を殺す」という凄まじい事をしているんですが、

テレビ本編の希望を感じさせる終わり方の後に今回のような結末にしちゃうと

流石に受け入れられる人は少ないんじゃないかと思います。

 

映司はこれまでアンクが復活しアンクと再会する「いつかの明日」

という未来を求めていたのに、

本作でその未来を閉ざすような内容にしているのは気になりました。

テレビ本編で折角映司が手を伸ばせるようになったのに、

本作では手を伸ばせない状況に彼が陥り

比奈の願いもアンクの想いも叶わないまま終わってしまうので

全体的にバッドエンド感が半端ない内容だったのも

テレビ本編からの作風の違いを感じてしまいました。

 

 

映司のキャラクターを考えたら

ある意味救われた形なのも良かったという意見もわかりますが、

本作でこれが見たかったかと言われると僕は素直に首を縦に振り辛いですね。

 

 

 

f:id:sosiga:20220320142956j:plain

本作の敵は先代のオーズと新たなグリードであるゴーダの2人ですが、

短い尺の中に頑張って納めたなという印象です。

ただ、逆に短い尺の中に無理くり納めているので

どちらも壮絶な敵ポジションなのにあっさり退場しているのが非常に拍子抜けです。

一応どちらも相手がプトティラとタジャドルエタニティなので

見せ場や強さのバランスといった演出的な面は良かったんですが、

先代のオーズは圧倒的な力に加えて再戦時にはグリードを取り入れていたり、

ゴーダは映司の体云々や伊達&後藤とのやりとり等、

散々何かあるカモしれないと思わせていて何もなかった点は気になりました。

 

 

また、予算の都合はあるんでしょうが、

どちらもスーツはもう少し何とかして欲しかったです・・・

バースXがあの扱いならバース出さずにゴーダに衣装代割いて欲しかった()

 

 

 

f:id:sosiga:20220320142921j:plain

本作は当時の役者もオールスターで復活という事で

グリード達がどういう立ち位置になるのか気になっていましたが、

実際の扱いがあまりにも酷くてここは非常に不満でした。

ウヴァ以外あまりに何も無さ過ぎて話題にする事すら困難なレベルです。

 

 

 

f:id:sosiga:20220320142938j:plain

伊達&後藤ペアも何の見せ場も無し。

新フォームであるバースXも序盤から匂わせて後半まであんなに引っ張ったのに

実際には活躍どころか本当に何もなかったので

バースに関する尺自体が不要と思えるレベルなのはあまりにも酷い。

 

 

確かにオーズは映司とアンクの物語がメインカモしれませんが、

今更他キャラと絡ませなくても彼らの物語が成り立つというのなら

わざわざ尺の短い本作にオリキャスを呼んで出演させなくてもいいと思います。

特に今回は上映前から宣伝に力を入れて公式が話題性を引き立てていた為

視聴側はどうしても期待値が上がってしまうものなので、

意図的に行ってたと思えるレベルの扱いだったのは

いかがなものかと感じてしまいました。

 

 

 

 

f:id:sosiga:20220320160750j:plain

色々書いていますが、

本作はアンクが主体となって描かれていて、

アンクのこれまでの人生(と言ってもいいでしょう)を考えると

彼に非常に感情移入出来てしまう。

三浦氏の演技が凄く、終始見入っていました。

演技に関しては元々皆さんレベルは高かったですが、

10年という年月で更に熟成されていたのが垣間見えたのも良かったです。

クスクシエのセットが無い為に千代子さんが普通にレジスタンスだったり

レジスタンスなのに比奈だけ服が普段着というのも違和感全開でしたが()

 

 

また、プトティラ好きな僕としては

今作でプトティラがしっかり活躍してたのは良かったと思いました。

 

 

 

f:id:sosiga:20220320160704j:plain

まとめます。

 

 

評価を下すのが非常に難しい作品。

 

 

テレビ本編の出来、他映画での続編や客演、キャラクター人気、

本編終了10年後の続編という様々な要素が凝縮さえたうえで完成した本作。

その為期待値も上がりハードルも上がった本作ですが、

内容を受け入れられるかが非常に難しい作品となっています。

 

今作は結果的に映司の願いは叶ったカモしれませんが、

逆にアンクや比奈の願いが叶わないまま終わってしまい、

また、締め方も非常にアレな流れでのEDの為

余韻に浸る事無く感情を置き去りにされるので

情緒が行方不明になってしまいました。

 

 

そもそも「仮面ライダーオーズ」という作品が作品に没入させる力があり、

それが10年の時を経て作られた続編という完成までの経緯もあって

非常に期待値が高くなってしまう中、

あまりにも視聴者が想定していなかったであろう物語になったのが

一番の問題点のような気がします。

 

 

正直作品として今後先の無い終わり方にするのであれば

バッドエンドに近い賛否両論作品にするよりも

多少の希望を持った終わり方にして欲しかったです。

あの後アンクがどうなるのか、世界がどうなっていくのか等何も語られていない為、

何もかも中途半端なまま終わっているように感じるので

せめてエピローグ的なものは欲しかったですね。

 

 

全ての要素を受け入れられないだけで作り手の狙いもわかる、

役者の役に対する願いなんかもわかる分不満点があっても素直に言いづらい、

良かった部分と良くなかった部分がハッキリ分かれる等々、

感想を述べるのが非常に難しい作品でした。

今回記事にするのすら非常に時間がかかっているし、

正直この書いた内容すら本当に正しいのかすらわからない。

そういう意味ではこれまで見てきた作品の中で感じた事のない感情を得ました。

 

間違いなく面白くはあったんですが、素直に受け入れ辛い、

他者にはオススメし辛いけど誰かと共有したい、

とても不思議な作品でした。

 

 

 

f:id:sosiga:20220320165559j:plain

個人的オススメシーンはアンクと映司の邂逅シーン。

一人で見てたら多分泣いてたと思う。