仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド 観てきました。

 

 

夢は夢のままでも良かったかな・・・(小声)

 

 

 

オーズの悪夢のせいで

観に行くまでかなりの葛藤があったんですが、

覚悟キメて上映早々に観に行って来ました。

そんな本作は

ファンだからこそ

気になる点が目立つ

作品でした。

 

 

 

今作は本編後に巧が失踪したという事で

各々の謎が散りばめられている訳ですが、

どの謎も全然大した事なくて拍子抜けでした。

特に巧がスマートブレイン側について

オルフェノクを倒しているのは、

本編後にあれだけ葛藤して

手に入れた夢を捨ててまで

彼は延命するものなのかと少々疑問でした。

 

 

 

そして一番大きい点はやはり

真理のオルフェノクですね。

個人的に一番許容出来なかった点です。

 

 

オルフェノクと人間の共存」というのが

555のテーマなんですが、

真理までオルフェノクになっちゃうと

そもそものテーマが

破綻しちゃうと思うんですけど・・・

本編ではもう一人啓太郎という存在がいましたが

今作ではその彼も不在なので、

真理までオルフェノクになっちゃうと

元々もっているテーマから

ズレちゃう気が(´・ω・`)

 

 

また、真理がオルフェノクになる事で

真理のオルフェノクに対して抱いている感情が

テレビ本編と変わっていたのが

ファンとしてはモヤモヤしました。

 

本編でも巧がオルフェノクと発覚した時に

気持ちと裏腹に

体が拒絶してしまうシーン等がありましたが、

今作では自身がオルフェノクになった事で

自殺するまでするというのは

彼女が元々持っている気持ちとしては

いいにしても、

それを乗り越えてきた本編後の行動としては

どうなのかと思わなくもなかったです。

本編から時間が経っているとはいえ地続きなので

オルフェノクに対して

ある程度の覚悟は持っている筈だし、

そもそも本作では

そのオルフェノクを守る活動を

しているんですから、

自殺までするというのは

彼女がオルフェノクに対して

持っている信念や気持ちが

視聴者側から見ると変わってしまうんじゃないか

と思うんですけどね。

 

 

 

 

そして巧と真理のベッドシーン。

あれはね~、展開的には納得出来なくもないけど

描写のせいでギャグになってしまったのが・・・

どうせやるなら

もっとちゃんと描写して欲しかったです。

逆にピロートークシーンは生々し過ぎて

笑ってしまいましたがw

 

 

個人的に巧と真理が男女の関係になるのは

解釈としてはちょっと違うと思っていたので

今作でああいう関係性になっちゃうのは

視聴するうえで

ちょっと覚悟がいるなと思いました。

特に、巧は

あのシーンに至るまで考えがブレブレで

やってる事が生前の草加と大体一緒だったのは

残念でしたね。

正直巧の魅力は

今作では全然見えてこなかったです。

 

 

 

 

 

また、尺不足のせいで新キャラの掘り下げも雑。

玲菜が一番出番はありましたが、

巧に惹かれる→巧を殺す→巧を逃がす

の流れは唐突過ぎて完全に置いてけぼりでした。

また、変身する度

周りから脱ぐ脱ぐ言われてた辺りは

キャラ付けが上手くいってない印象でした。

上記の巧と真理のHシーンもそうですけど、

本作は18禁要素が

あまり上手く活かされていなかったですね。

 

 

 

仮面ライダーに関しては

ミューズに関してはそれなりレベル。

ミューズは性能が一番描写されていて、

変身者も変わったりでファイズらしい要素もあり

想像よりも凄く良かったです。

 

 

 

ただ、他のライダーに関しては正直イマイチで、

特にネクストカイザは酷い。

満を持しての登場であの扱い、

あれ見てCSM欲しいとは思わんやろ。

 

また、戦闘シーンは全編通してそれなりですが、

終盤の展開はかなり文句が。

ネクスファイズでなく

ファイズで戦う訳ですが、

ミューズとネクストカイザ2人相手に

型落ちで流石に無双し過ぎな気が・・・(汗)

本編のようなウルフオルフェノクへの2段構えも

特に活かされておらず、

工夫がありませんでした。

アクセルやブラスターになる訳でもなく、

急に旧式を纏った瞬間無双する訳ですからねぇ。

カタルシスを感じて欲しいなら

戦闘中に説得力を魅せて欲しかったです。

 

 

 

他にもカイザの音声ミスやデルタの扱い等

本編から相変わらず

改善されていない点もそのまま。

デルタは終盤真理が変身したり等

その気になればなんとでも出来た筈なのに

結局ほったらかし。

カイザの音声ミスなんかは

もう笑ってしまいました。

20年経ってもミスのクオリティが変わらないのは

ある意味凄いと思います。*1

 

 

 

 

 

 

 

まとめます。

 

 

一ファンとしては

見たい内容じゃなかった。

 

 

 

本作の物語はそれはそれで

見れるものにはなっていますが、

テレビ本編後に残されていた要素が

何一つ活かされていなかったのは

滅茶苦茶拍子抜けでした。

 

 

アークオルフェノク

ロブスターオルフェノクのその後等

本編の謎が残ったままなのに、

その謎を取り上げる事なく

独自の展開をしたのは少々残念でした。

100歩譲ってそれはそれでいいとしても、

本編の積み重ねがほとんど意味を成していない

感じがしたのは非常に拍子抜けでした。

特に真理のオルフェノク化と

エピローグの真理のオルフェノクの捉え方は

ファンとしてはかなりガッカリで、

特にラストの食事シーンで条太郎に対して

「あんたもオルフェノクになっちゃいなよ」

の発言は本作で自殺までしたキャラの言葉とは

思えなかったですね。

オルフェノクになる事の重さブチ壊しやん。

 

 

正直草加と北崎の正体がわかった時に

「これはもう僕が望んでる展開じゃないんだな」

という感じになってしまい、

その為最終戦なんかは逆に盛り下がって

気になる点が目立つ事になってしまいましたね。

役者都合や時代、現場での帳尻合わせ等

色々あると思いますが、本作の脚本にするのなら

せめて啓太郎だけは

何とかして出して欲しかったかな・・・

 

 

 

555らしさが出ていた事を

評価している人もいますが、

脚本や監督、キャストを可能な限り集めてるんですから

らしさが出ていて当たり前な訳で。

年月を重ねたキャスト、新顔をふまえて

当時の雰囲気を再現している点は確かに評価出来ますが、

元々持っていた要素を捻じ曲げてまで

見たかった内容かと言われれば僕は「NO」と答えます。

 

 

 

ファンとして喜ばしかったのは

役者達の演技が素晴らしかった事。

20年という年月が経っているのに

ちゃんと各キャラのその後を

演じてくれていました。

特に巧と真理に関しては

本編とはまた違った関係性になっていて、

それを20年後に演じるというのは

かなりハードル高かったと思います。

 

草加は言わずもがな、海堂もそのまんまでした。

ただ、正直海堂はギャグキャラに寄せすぎで

個人的には凄く微妙でしたが・・・

本作の作風を考えると

明るいキャラが彼くらいしかいなかったので

あのようなキャラになったんでしょうけど、

別にギャグだけが彼の持ち味じゃないので。

 

 

正直今作に関しては

観に行く決め手が役者だったので

そういう意味では見て良かったです。

555が持っている当時の雰囲気を

そのまま描いてくれました。

 

ただ、555が持っている本来のテーマ性や

仮面ライダーとしてのカッコよさなんかは

記載した通りあまり見えてこなかったです。

これが今の井上敏樹脚本が描く555と

受け止めますが、

ライダーに関しては

もうちょいちゃんと描いて欲しいですよね。

ラー油で足が滑る新フォームなんか

見たくなかったわ。

 

 

 

 

歴代仮面ライダーシリーズの中でも

僕にとって555はかなり特別な作品で、

だからこそ本作を見るのは最後まで悩んでいました。

更に最近は個人的評価や印象から

東映作品とは距離を取っていて、

それこそオーズの二の舞になるのは御免だと

思っていましたが、

ある意味更に決め手となった作品でした。

 

本作を最高と言う人もいるのは承知ですが、

僕のように見ない方が良かったと感じた人がいる事も

忘れてはいけないと思います。

アニバーサリー作品は必ずしも

人を幸せにする訳じゃないという、

僕にとってある種の戒めのような作品でした。

 

 

 

個人的オススメシーン、というより

一番印象的だったのは高岩成二氏の登場シーン。

海堂のキャラよりも面白かったですw

 

*1:劇場で一度だけしか見ていないので勘違いor商品化で修正済みになっていたら申し訳。