今をどう受け入れるか。
不慮の飛行機事故によりサバイバルを強いられる事になった主人公。
社会から孤立し孤独に蝕まれる状況の中で生きぬく様を描いています。
この映画、サバイバル中のシーンはセリフと音楽が最小限で
ほぼトム・ハンクスの表情や喜怒哀楽の感情を乗せた叫びのみで表現されています。
これが凄い。
一人の役者の力だけでここまで魅せる作品は中々少ないと思います。
バレーボールのような無機物がまるで生きているような錯覚を覚えたり
スクリーン内のその状況に視聴者を没入させる力があります。
ただ、サバイバル状態が長いので
人によっては飽きやダレを感じるカモしれません。
また、複数の荷物が一緒に流れたりと完全に一からのサバイバルという訳でもなく
合計4年もサバイバル生活を過ごしたのにその間がすっぽり飛ばされていたりと
状況の割にはそこまで悲観する状況にも見えないので
肩の力を抜いて楽な気持ちで見れる作品だと思います。
この作品のキモは生還した主人公が社会に戻ってきてからになるんですが、
その部分は思ったよりもあまり描かれていなかったなと思います。
とはいっても恋人とのシーンは感動しましたし
あの空気感と時間だけで充分な気もしましたが、
ラストの余韻に浸る時間がもう少しだけ欲しかったかなとも思いました。
主人公の苦悩というか葛藤がもう少し見たかったですね。
まとめます。
順風満帆に送っていた人生が急転落下する。
その時をどう生きるか。
その後をどう生きるか。
人生を生き抜くうえで何が大切な事かというよりも
自分のその状況をどう受け入れるかを描いた作品です。
その受け入れ方次第で自分の生き方が変わる、
普段送っているこの日常も当たり前ではないんだなという事を
再認識出来た作品でした。
同じ監督と主演という意味ではフォレストガンプがありますが、
違った切り口で人生を描いているので未視聴な方はオススメです。
オススメシーンはウィルソンとの別れシーン。
泣きながら笑うという謎の感情に襲われましたw